評価等
☆☆☆(最高評価は☆5つ)
原題:African Kung-Fu Nazis
※以下は作品のネタバレを含むので、注意してください。
ネタバレ感想
本作は、「アフリカン」「カンフー」「ナチス」という名前そのままの快作だった。なんというか、B級サメ映画の中のA級の映画を見たときのような満足感がある作品だった。全編通して突っ込みどころ満載であるところが良い。なぜかゲーリングが黒人だったり、東条が謎のKARATEを使えたり、よくわからないところが多い。また、少年漫画的ストーリーのテンプレはきちんと押さえている。師匠が殺され、彼女が奪われ、訓練し、トーナメントを戦い抜き、巨悪を成敗するという勧善懲悪なストーリー。そのベースラインがきちんとしている中で、大さじ2杯のカオスを投入しているところが、非常に良い味を生み出しているように思う。
映画を見ていて、俳優陣の映画がまっすぐだったのが良かった。鍛え抜かれた肉体のあるアクションは、意外と見ごたえがあった。そのアクションと、雑なCG等の対比がたまらない。最後のヒトラーが爆破されるシーンとか、わざわざ首だけ描く必要ある?ないほうがよくない?とか、車を撃って爆発炎上で終わりとかもうちょっとないん?といった突っ込みはあるのだが、むしろこのような隙こそがB級映画らしくて良い。逆に、しっかりと作りこまれていると疲れてしまう。
また、カットカットが詰め込まれすぎていないのも良かった。最近の映画、特にエブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスなどは、情報量が多すぎて疲れてしまうが、本作はそんなことはなく、トレーニングのシーン等時間がゆっくり流れているような気がする。それこそが、気軽に見れる映画としての本作の価値を高めているように思う。
加えて、ガーナの生活を眺められるというのも良かった。おそらく、町の背景やお店など、わざわざ本作のために作り上げられたセットではなく、ガーナのリアルな光景そのものなのだろう。エキストラと思しき人々、特に子供らの姿を見て、フィクションではない、リアルな街の光景を見ることができたのも良かった。
心の片隅に居残られてしまうような、不思議な作品だった。これだから、B級映画を見るのはやめられない。
なお、本作は続編が出るらしい。ぱねえ。
先ほど公開された「重大発表」はこちらからもご覧いただけます。
— アフリカン・カンフー・ナチス@3月18日・横浜de上映会開催 (@Ghanarians) December 9, 2022
詳細は追ってお知らせさせていただきますので、続報をご期待ください。 pic.twitter.com/jqqHkY2P7P