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映画「キャッツ&ドッグス」感想:犬好きのためのスパイ映画

作品情報

監督:ローレンス・グーターマン

評価

☆☆☆(最高評価は☆5つ)

※以下は作品のネタバレを含むので、注意してください。

ネタバレ感想

 本作は、スパイ映画と犬猫への愛に満ち溢れた笑える映画だった。そもそも、悪役のティンクルズは007のブロフェルドの愛猫を想像させるような真っ白なペルシャ猫であるし、スパイ作戦のための謎のメカも登場する。敵国のスパイといえばロシア人というところだが、本作でもロシア出身の猫がやってきて、From Russia with Love (ロシアから愛を込めて)と言いながらルーのフンを偽造したりする。このわちゃわちゃ感が、スパイコメディとして良い。

 また、登場する犬が一々可愛い。特に主人公のルー。ちっちゃなビーグル犬があたりを走り回ったり、スコッティと遊びまわって尻尾をふりふりしているのを見るだけでも、幸せな気持ちになる。それ以外のキャスティングも、上司役のブラッドハウンドやお姉さん役のサルーキなど、性格にあった見た目の犬種が割り振られており、製作者の愛が現れているなと思った。また、本部で全世界の犬が集まるシーンもよかった。世の中、多種多様の可愛いワンコがいますね。

 本作で何よりも感嘆したのは、犬の訓練のうまさである。本作で、道路を転がり回ったり、サッカーをしたりといろいろな動きをするが、結構な割合でCGが使われていない。登場犬物たちは、きっと愛情を持ってきっちりと芸を仕込まれてきたんだなと染み入った。

 それと対照的なのが猫側のCGの多さである。動きのあるシーンが、ほぼほぼCGで笑ってしまった。確かに猫は、犬と比べて訓練はしにくいのだろうし、出来る限り頑張って訓練してはいたのだろうけれど、犬と比べての猫の気まぐれ感がスクリーンを通してでも伝わってきた。いや、確かに凄いことをやっていると思うんですよ。例えば、ティンクルズの家で猫の集会が行われるシーン。うちの猫だったら、この場にいたとしても真っ先に逃走するだろうし、他の猫と喧嘩するかもしれない。それが、その場にしっかりじっとしているわけなので、猫的には物凄いことなんじゃないかなと思った。そう、猫はあくまで人間をしつける側であってしつけられる側ではないのですから。そう思ってしまう自分は、本作を見た後でも猫派よりなのかもしれない。

 本作自体も面白かったのだが、それ以外でもくすりと笑ってしまったのがアマゾンのコメント欄である。犬派は絶賛しているのに対し、猫派の方々は「猫好きは本作を見ないほうが良いです」と大真面目にコメントしていたりする。コメント欄の対立を見ながら、本作の犬と猫だけでなく、犬派と猫派でも戦いは行われているのだなと思った。