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映画「ダイバージェント」感想:設定がもったいない作品

作品情報

ダイバージェント(字幕版)

ダイバージェント(字幕版)

  • メディア: Prime Video

監督:ニール・バーガー

評価

☆☆(最高評価は☆5つ)

※以下は作品のネタバレを含むので、注意してください。

ネタバレ感想

 本作は、設定は面白かったのに対し、ストーリーに説得力がなく、全体としてはあまり面白くない作品となっていた。

 人類滅亡後の世界。人は逞しく生活を続けていた。人の様々な本質を司る様々な派閥と暗躍、そして外界からの敵の侵入を拒む謎のフェンス。若干ハリーポッターの寮分けを思い出さなくもないものの、ワクワクさせるような設定にはなっていたと思う。

 しかしながら、肝心のストーリーが今一つだった。そもそも、何故ダイバージェントがここまで迫害されるのかという理由が今一つ良く分からなかった。主人公を含め、登場するダイバージェントは良い人が多そうで、とても平和を崩壊させるような人々には思えない。迫害を受ける理由にいまいち説得力がない。

 また、<<博学>>が<<無欲>>をジェノサイドしようとした理由も良く分からない。<<博学>>が<<無欲>>をジェノサイドすることによって得られるものが、いまいち良く分からないのだ。<<無欲>>が派閥を破壊しようとしたという表向きの理由がよく分からないのは良いとして、裏の理由である<<博学>>が政権を握ろうとした理由がいまいち良く分からない。そもそも、<<博学>>が<<無欲>>をジェノサイドでもしようものなら、他の派閥が黙っていないだろうし、本当に<<博学>>が政権を握れるのだろうかという疑問がある。こんなリスキーな手法を取るのではなく、<<博学>>なら<<博学>>らしく、<<無欲>>のスキャンダルを捏造するなりなんなりの政治的暗躍で<<無欲>>を叩き潰すみたいな方策を取って欲しかった。

 ラストもラストで拍子抜けした。ここまで<<勇敢>>のイニシエーションについては丁寧に描いていたにもかかわらず、最後は悪を完全に叩き潰す訳でもなく、ひょろりと逃げて終わり。続編があるとはいえ、こんなあっさりとした幕引きはどうにかならなかったのかなあ。

 本作、三部作の一作目でまだ2本続編があるそうだ。現状モヤっとしている部分はあるものの、続編を見たいかと言うと…悩むところだ。

ダイバージェントFINAL(字幕版)

ダイバージェントFINAL(字幕版)

  • 発売日: 2017/10/20
  • メディア: Prime Video