はじめに
本稿では、ミスティックベール(基本パック)の攻略法について書いていきます。
本作では複数の戦略が考えられます*1。以下では、私が試した中で一番強いと考えられる戦略(以下、「デッキ回転戦略」とします。)を紹介した後に、どのようなカードをピックすべきかについて書いていきます。
なお、英語版を元に本稿を執筆したため、一部用語が不正確な箇所がありますが、そこはご了承ください。
デッキ回転戦略について
ミスティックベールでは、デッキを回すスピードを早くすれば早いほど、強いカードを早く何度もプレイすることができるようになり、有利になります。そのため、デッキ回転をひたすら早くしていき、最終的に1ターンで全てのカードをプレイすることを目指すのがデッキ回転戦略です。
初期のデッキでは、腐敗マーク(赤マーク)がついているカードが9枚、それ以外のカードが11枚あります。3つまでなら腐敗マーク(赤)を集めても堕落しないので、木のマークを集める又は腐敗マーク付きのカードを捨てることで、6つ以上の腐敗マークを無力化できれば、1ターンでデッキの全てのカードをプレイできます。そのため、なるべく早く6つ以上の腐敗マークを無力化できるようにすることを目指します。
具体的には、序盤から中盤にかけてはデッキの回転スピードを上げられる進化カードを最優先でピックしていきます。そのようなカードを獲得するのが難しければ、マナを獲得できる進化カードや精霊マークを獲得できる進化カードをピックします。腐敗マークがついた進化カードは、基本的に回避することになります。
そして、1ターンにほぼ全てのカードをプレイできるようになった段階又はゲームが終了しそうな段階で、勝利点付きのカードを最優先で取得していきます。
カードのドローについて
カードのピックとともに重要なのが、植樹フェイズでカードを引く枚数です。初心者は場に3つの有効な腐敗マークが出た後にあまりカードを引かないのに対し、上級者になればなるほどカードを引くようになる傾向があるように思います。
基本的に、カードを引くのをそこまでためらわない方が良いことが多いです。その理由は3つ。まずは、ドローによりマナを獲得することで、強力なカードを早めに手に入れること。強力なカードを早く手に入れられるほど、他のプレイヤーに先駆けて高マナコストのカードを取れるようになり、有利です。
次に、堕落することによりデッキの回転が早まることです。初期デッキで堕落しなかった場合、墓地に行く腐敗マークの個数は手札にある2つです。これに対し、堕落した場合墓地に行く腐敗マークの数は手札にある3つになり、デッキの回転スピードが1.5倍になります。そのため、早く強力なカードをプレイできます。
最後に、所持しているマナの数が少ないうちは、堕落してもデメリットが大きくないことです。例えば、現在のマナが2つ、腐敗マークが3つだとします。この時に堕落すると、2マナが無駄になる一方、次のターンに+1マナされるので、損するマナは1つにすぎません。そして、この一マナにより、本来なら取れなかった強力なカードが取れるようになる可能性があります。
以上を踏まえれば、現状のマナで強力なカードを獲得できない場合には、積極的にカードをドローすべきです。特に、初期山札にあるFertile Soil(腐敗マークのない1マナの土地)は弱いので、それしか取れない場合は、必ずドローして別のカードを取得すべきです。
また、すでに引いた腐敗マーク付きのカードの個数をカウントすること(カウンティング)により、ドローによって有効な腐敗マーク付きのカードを引く確率が計算できます。有効な腐敗マークが付いたのカードを引く可能性がゼロの場合、迷わずドローしましょう。
カードの組み合わせ方について
・木のマーク付きの進化カードは腐敗マークのあるカードに付与し、デッキ回転速度を安定させるべきです。
・カードを捨てる能力を持つ進化カードは、捨てることのできるカードの枚数を減らさないよう、腐敗マークのないカードに付与すべきです。また、腐敗マーク付きのカードは捨てる対象になりがちなので、基本的には進化カードを付与しないべきです。
・ガーディアンマーク付きの進化カードは、シナジーを発揮できるようまとめましょう。ガーディアンマーク付きのカードがない場合には、何も進化カードがないカードに付与し、将来的にシナジーが発揮できるようにすべきです。
・精霊マーク付きの進化カードについては、一定数集めなければ精霊マークが意味をなさない以上、1枚のカードにまとめるべきです。
・マナを付与する進化カードについては、高コストの強力なカードを他のプレイヤーに先駆けて取得できるようにするため、なるべく1枚にまとめると良いと考えられます。
全進化カード評価
以下では、カード評価を記載していきます。同ランクの中では、最初の方に紹介されているカードほど優先すべきカードになります。
Sランク(ドローしてでもピックすべき)
これらのカードは強力なので、ドローをしてでもピックすべきです。ただ、ドローせずにAランクのカードが得られる場合には、Aランクのカードを選んだ方が有利になる場合が多いでしょう。
①木のマークがついている進化カード又はLifebringer Seed(5マナの山と草)
木のマークは腐敗マークを確実に無力化できるため、木のマーク付きの進化カードを最優先でピックすべきです。Grovetender (白髪の男性) 以外の進化カードをピックした場合、すでに腐敗マークがあるカードに組み合わせ、安定してデッキを回すと良いでしょう。また、Lifebringer Seed(5マナの山と草) も強力です。
(1)Grovetender (6マナの白髪の男性)
この進化カードはガーディアンマークの数に応じて木のマークを獲得できます。組み合わせる必要はあるものの、1枚のカードで複数の木のマークを獲得できるカードはこれしかないことから、最優先でピックすべきです。ピックした場合、すでにガーディアンカードがあるカードか、それがなければ何もないカードに組み合わせると良いでしょう。
(2)Lifebringer Seed(5マナの山と草)
この進化カードは、同じカード上のものだけとはいえ、2つの腐敗マークを無効にできます。基本的に、腐敗マークのついている進化カードは強力なので、これを取得した上で、同じカードの上に腐敗マークのある物をピックすると有利です。
(3)Calm Weather(7マナの鳥)
この進化カードは、木のマークがついていると同時に、次のデッキカードに腐敗マークがあった場合それを捨てる能力があるので、腐敗マークを2個以上無力化できる可能性があります。
(4)Grassland(5マナの牛と土地) 及びBear Totem(6マナの熊)
木のマークが1個ついています。
②カードを捨てる能力を持つ進化カード
カードを捨てられる進化カードは、その効果により腐敗マークカード付きのカードを捨てることができれば、腐敗マークを無力化できます。木のマークほどではないものの、デッキ回転の高速化に寄与します。
このタイプの進化カードを手に入れた場合、腐敗マークがないカードと組み合わせると良いでしょう。なぜなら、腐敗マークがあるカードと組み合わせてしまった場合、そのカード自体を捨てることはできないため、捨てることのできる腐敗マーク付きのカードが1枚減ってしまうためです。
③Aurora(10マナの紫のエルフ)
プレイしたカードの枚数によって勝利点が増えるので、デッキ回転戦略と相性が非常に良いです。
④Woodland Warden(9マナのフードの男)
ガーディアンマーク×2の得点を取得でき強力です。
⑤腐敗マークがついた進化カード(すぐに無力化できる場合)
Lifebringer Seed(山と草) 、Seedling(2マナの種)及びGrovetender (白髪の男性) が付与されたカードがある場合、腐敗マーク付きの進化カードを付与しても、その腐敗マークを即座に無力化できる場合があります。腐敗マーク付きのカードは、勝利点の獲得など強力な効果を持っているので、このような場合には積極的に採用しましょう。基本的には高コストのものの方が強力なので、それらを選びましょう。
Aランク(ピックすべき)
①Earthcant Chrorus(2マナの3人のドワーフ)
このカードにより進化カードを取得するマナを各2つ、最大4つ節約できます。本来ならば取得できない高コスト進化カードを取得できること、この進化カードの取得に2マナしかかからないことを考えれば、このカードの取得はかなり有利です。ただし、すでに進化カードが付与されているカードに本カードを付与する場合は、2マナを払って2マナ得するにすぎないので、ピックの優先順位は下がります。
②Feral Chieftain(5マナの1人のドワーフ)
ガーディアンマーク×1の得点を取得できます。Woodland Warden(フードの男)よりも強力でないとは言え、他にガーディアンマークを利用するカードと組み合わせることができることからすれば、優先的にピックすべきです。
ピックした場合、すでにガーディアンカードがあるカードか、それがなければ何もないカードに組み合わせると良いでしょう。
③Dawnsinger(4マナの右向きの女性)
ガーディアンマーク×1のマナを取得できます。他にガーディアンマークがなくとも1マナ+黄色の精霊マークと最低限の仕事は果たしますし、他のガーディアンマークを利用する進化カードとのシナジーがあります。
ピックした場合、すでにガーディアンマークがあるカードか、それがなければ何もないカードに組み合わせると良いでしょう。
④Seedling(種)
同カード上の2個以上の腐敗マークを腐敗マーク1個扱いにできると同時に1マナ獲得できます。腐敗マークのあるカードと組み合わせなくとも最低限の仕事は果たしますし、このカードと2個以上の腐敗マーク付きのカードを組み合わせれば有利になります。
⑤Ent Elder(2マナの1人の植物人)、Moon Wolf(4マナの狼)及びPodlings(2マナの3人の植物人)
腐敗マークのないガーディアンマークのあるカードであり、他のガーディアンマークを利用する進化カードとのシナジーがあります。そのようなカードがある場合には、Seedlingよりも優先してピックすべきです。ピックした場合、すでにガーディアンマークがあるカードか、それがなければ何もないカードに組み合わせると良いでしょう。
⑥Peacekeepre Druid(2マナの緑フードの女性)
本進化カードは、堕落した場合にもう一度山札を引くことができデッキ回転の高速化に寄与します。ただし、次の引いたカードにより堕落する可能性もあるため、堕落しても良い時にしか使いどころがありません。
⑦Lifebloom Orchids(8マナの3本の触手)
紫の精霊マークがついており、終盤便利です。
⑧Gaia's Chosen(9マナの杖を持った右向きのエルフ)
本進化カードは、同じカード上のマークに応じて勝利点がすぐに追加されます。勝利点が毎ターン加算される訳ではないため、序盤から中盤にかけての優先度は高くありません。しかし、終盤や最終ターンであれば、即座に大量点が取得できるため最優先でピックすべきです。
⑨Plow(5マナの車輪)
毎ターン1勝利点、1マナ、緑の精霊マークと最低限の仕事を果たします。ただ、精霊マークは一定数集めないとベールカードを取得できないため、それほど強力なカードではありません。
⑩Wayfinder(4マナの人と鹿)
毎ターン1マナ1茶色の精霊マークと最低限の仕事を果たします。ただ、精霊マークは一定数集めないとベールカードを取得できないため、それほど強力なカードではありません。
Bランク(状況に応じてピックすべき)
①Field of Flowers(3マナの花畑)
コスト3マナで毎ターン2マナ取得できるので、序盤は優先的にピックしましょう。
②Wellspring(4マナの木と泉)
緑と茶色の精霊マークがあり、これだけでベールカードが取得できる場合があります。しかし、4人対戦では緑と茶色の精霊各1個で取得できるベールカードが他の人に取得される可能性が高く、ピックの優先度は高くありません。しかし、2人対戦で相手がこのカードを取得していない場合、優先的に取得すべきです。
③Will-O'-The-Wisp(7マナの川)
毎ターン2勝利点と1マナを獲得できます。しかし、同コスト帯には他に優先すべきカードが多いため、積極的に取りに行く必要はありません。
④Druid's Song(4マナの手を繋いだ人々)
紫の精霊マークを獲得できるものの、コスパは悪いです。
Cランク(マナが余っていない限りピックすべきでない)
・Fertile Soil(腐敗マークのない1マナの土地)
Fertile Soilは特に効果がないため、カードに付与しても大して有利になりません。そのため、基本的にこの進化カードはピックせず、カードをドローして他のカードを選べるようにしましょう。
Dランク(基本的にピックすべきでない)
・腐敗マークがついた進化カード(即座に無力化できない場合)
腐敗マークがついた進化カードは、デッキの回転を妨げるため基本的に選ぶべきではありません。
全ベールカード評価
①Ancient Liferoots(緑の空間と木の根)
毎ターン木のマークを獲得でき、デッキ回転速度が上がるので、最優先で取得すべきです。
②Stream of Vigor(青い鹿と小川)
進化カードを3枚購入できます。マナがあまりがちなデッキ回転戦略と相性が良いです。
③マナ又は精霊マークを付与できるカード
カードを取得できる枚数が増えるため、デッキ回転速度向上に寄与します。
④Conclave of Ents(木)
カードにガーディアンマークを付与でき、シナジーがあります。
⑤勝利点獲得のみのカード
デッキ回転速度向上に寄与しないため、序盤・中盤の優先順位は高くありません。しかし、終盤では勝利のために最優先にピックすべきです。
終わりに
いかがでしたでしょうか。本稿はあくまで著者が最強だと思うデッキ回転戦略について説明したものであり、他にも戦略はあり得ます。そのため、本稿を参考にした上で自分なりの戦略を追求していただけると幸いです。
*1:例えば以下の記事(英語)を参照。Strategies for Mystic Vale | HubPages