作品情報
- 作者: Robin Williams,小原司,米谷テツヤ,吉川典秀
- 出版社/メーカー: マイナビ出版
- 発売日: 2016/06/30
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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評価
☆☆☆☆☆(最高評価は☆5つ)
レビュー
本書は、「デザインを正式には学んだことがないけれども、デザインする必要がある人たちのために書かれ」た本です(10頁)。
デザインの4つの原則
本書では、まずデザインの4つの原則が語られたのちに、それぞれについて豊富な実例と共に説明がされていきます。
その4つの原則とは、コントラスト・反復・整列・近接の4つです。インターネット等で、これら4つの原則を目にしたことがあるかもしれませんが、それらを初めて提唱したのが本書という訳です(13頁)。
「近接」とは、関連する項目を近づけてグループ化すること。「整列」は文字等をそろえること(例:中央ぞろえ)。反復とは同じ視覚的要素を繰り返すこと。「コントラスト」は文字通り、フォントや大きさ、色などでコントラストを作り出します。
これらの原則は、優れたデザインで採用されているものであり、これらの原則を用いるか用いないかで、デザインの良さや読みやすさが大きく変わるという代物です。そのため、分かりやすいスライド・ウェブデザイン等を作る上で、本書は非常に役に立ちます。
逆に言えば、読みにくいデザインはなぜ読みにくいのか、という点について徹底的に解説してくれるわけですね。漠然と読みにくいなと思ったデザインについて、本書は4つの原則を使ってなぜ読みにくいのか説明してくれるので、そのような失敗をしないよう学ぶことができます。
また、豊富な実例があるので、それらを流用してデザインを考えるといった使い方もできそうです。
なお、これら4つの原則については、かなり有名になって一般化されているので、ネット上の記事で読むこともできます。実際、僕も、ネット上の記事でそれとなく読んだことがありました。
しかしながら、ネット上の記事と本書を比較すると、情報が集約されている点、体系化されている点、良いデザイン及び悪いデザインの豊富な実例が載っているという点で、本書の方が圧倒的に優位です。また、本書の内容は、繰り返し読むことによって理解を深める必要のあるものですが、それをいちいち複数のウェブページで読むよりも、一冊手元に置いた方が参照しやすいということもあります。
また、各所に練習問題があって、なぜこのデザインが悪いか等について考えさせる作りになっていることも、上記の原則を学ぶ上で有用です。
その他
本書は他にも、色の使い方、名詞やチラシなどを作成する際に気を付けるべきこと、活字(フォント)の用い方など。これらについても、非常に分かりやすい解説が載っています。
これらの解説に用いられる実例でも、上記の4つの原則を意識していますので、非常に参考になりますね。
まとめ
本書は、デザインを学ぶ上で非常にためになる書籍です。おそらく、ぱらぱらと眺めるだけでも、どんなにデザインによって読みやすさ等が変わるかが分かるでしょう。
いまいち、デザインによる、印象の変化や読みやすさの違いが分からないという方が居れば、一度本屋でこの本を手に取ってみると良いと思います。こういうものは、説明するより実際に見た方が早いことが多々あるので。
いずれにせよ、このクオリティの本が2000円程度で買えるのは安いと思います。非常におすすめの一冊です。
- 作者: Robin Williams,小原司,米谷テツヤ,吉川典秀
- 出版社/メーカー: マイナビ出版
- 発売日: 2016/06/30
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