作品情報
監督:ジャッキー・チェン
評価
☆☆☆☆(最高評価は☆5つ)
※以下は作品のネタバレを含むので、注意してください。
ネタバレ感想
僕にとって、ジャッキー・チェンは生まれた時から有名人だった。
初めてジャッキー・チェンの名前を聞いたのは、思い出せもしない過去。僕が世界を認識し始めた頃には、すでにジャッキー・チェンは世界のスーパースターだった。よくは知らないし、映画も見たことはないけれど、なぜか身近な存在。そんな状態のまま、気がつけば数十年の歳月が過ぎていた。
ジャッキー・チェンの映画を見ようと思ったのは偶然だった。最近読んだ漫画にジャッキー・チェンの映画が登場し、せっかくだから見てみようと思い立ったのだ。インターネットを検索し、とりあえずおすすめの作品を探す。そこで見つけたのが、プロジェクトA。
はっきり言って、プロジェクトAはエンタメの傑作であると感じた。最初は、昔の映画だし少し物足りないところもあるかもしれないと思っていたが、そんな思いは本作の雑魚キャラのごとくあっさりと吹き飛ばされた。早回しで見ているかのようなアクション、コントを見ているかのようなコメディ要素。そんな不思議な組み合わせに、どんどん引き込まれて行った。
アクションが良い。ストーリーも分かりやすくて好ましい。敵味方含めて憎めないキャラクター達に、クスッと笑ってしまう展開、そしてなんと言ってもジャッキーの存在感。これ以上ないほどに、エンターテイメントだった。なんでこれまでジャッキー・チェンの映画を見てこなかったのだろうと後悔するほどには、本作は面白かった。
本作を見て、素敵だなと思った部分は、他のアクション映画に比べて暖かみがあることである。どんな戦いも、基本的にはコミカルで、笑いながらスカッとできるようなシーンばかり。戦いで人と傷つけ合っているというよりも、むしろやり過ぎたイタズラの応酬を見ているかのようなほんわかさがあった。
また、ラスボスもしっかりラスボスしていたところも良く、最後の戦いは見応えが有った。何度も殴っても蹴っても倒れずに戦い続けてくる。4人がかりでやっと倒せた時には、「おー!」と心の中で喝采をあげたほどだ。
本作は、どんなシチュエーションにあっても楽しく見ることの作品であると思うと共に、ジャッキー・チェンからエンタメの波動を感じる作品だった。
次は何を見ようか。映画を見ることが、一段と楽しくなった一夜だった。