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小川卓「現場のプロがやさしく書いた Webサイトの分析・改善の教科書」:ブログやるなら早く読むべき。

作品情報

書評と感想

この本を読んで、今までの時間を返してくれと思った。

この本を読んだ時間を返してくれという訳ではない。この本をさっさと読んでおけばよかった、この本を読まずにえっちらおっちら情報を調べていた時間を返してくれと思いたくなったという話だ。

今まで、このブログを運用してきて、どのように運用すべきかをなんとなく、都度都度学んでいた。いちいちWebで検索し、なんとなくGoogle Analyticsを入れてみて、分析をしてみた気になった。ユーザー数と閲覧数のみを考え、特にこのWebサイトで何をしたいかを深く考えることもなかった。圧倒的に、体系的知識が不足していた。

当たり前の話である。Web上に転がっている情報はたいてい細切れで、まとまっていそうなところもすぐに有料コンテンツに誘導しようとする。それは当然で、ちゃんとした対価を得ずにノウハウを公開してくれるほうが奇特な方だろう。有益な情報には、基本的には相応の対価を支払う必要があるのだ。実際、本書は3000円ぐらいする。

しかしながら、この本の含んでいる情報の価値や、いちいち調べて自分で体系化しつつ学んでいくことのわずらわしさ、膨大な時間を使うことに比べたら、本書に3000円支払うのは非常に安く感じた。と同時に、ほかの種類の本にはぽんとお金を払っていた自分が、この種の本を購入したことがなかったことを少し恥じた。老化研究の最新情報が載っている本(全160頁)には簡単に4000円出すのに、それよりもページ数も多いWebサイトに関する本は買おうとしていなかった(ちなみに、老化研究に関する書籍も非常に良い本だった。)。Webに関する情報であれば、Webに無料で体系だって整理しているところがあると思い込んでいたのだ。いや、実際あるのかもしれないが、私がそのようなWebサイトにたどり着くまでには多くの時間がかかることだろう。

それならば、最初からこの本を買っとけばよかったと、今は強く感じる。飲み会代1回分にも満たないし、お試しでも良いから買っておけばよかった。体系だったWebサイトの分析法、改善ポイントの見つけ方、項目別の改善策とノウハウ、分析結果の活用方法等々を説明してくれる本書籍は、Webサイトを改善してみたい、そのために3000円を支払ってもよいという人にとっては、非常に役立つ一冊になるに違いない。まあ、Webサイトの改善にそこまでの情熱がなければ、ネット上の無料の情報で十分なような気もしますが。