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シェイクスピア「じゃじゃ馬馴らし」感想:つまらなかった

評価

☆☆(最高評価は☆5つ)
※以下は作品のネタバレを含むので、注意してください。

ネタバレ感想

本作は、正直なところつまらなかった。「傑作喜劇」との触れ込みだったことから、何かしら笑えるんだろうなと読み進めたものの、とんと笑えない。唯一笑ったのは、スライが「こいつは素晴らしい傑作だ、女房の奥。早く終わりにならないかなあ。」(52頁)とぼやいた部分ぐらいだった。韻の踏み方や才気煥発な切り返しがあるものの、それを踏まえても純粋に面白くなかった。シェイクスピアだし最後には面白くなるかと思ったらそうでもなかった。

そもそも、ストーリーが女性差別、男尊女卑的な内容だというのは、昔の話だからしょうがない部分はあるのだろう。時代背景的なものもあるし、現代の倫理観と当時の倫理観がずれているのはある種当たり前である。ただ、その点を措くとしても、正直ストーリーそのものがつまらなかった。キャタリーナがかわいそうだ、という点を無視しても、「じゃじゃ馬馴らし」する方法が単なるモラハラというのがつまらない。「奇想天外な方法で『じゃじゃ馬馴らし』に乗り出した」とあるが、どこも奇想天外ではないし、単純につまらなかった。正直、なぜ本作が古典として生き延びてきた理由もそこまで分からないし、シェイクスピアの作品でなければもっと前に忘れ去られていた作品であると思った。

ネット上には、キャタリーナは飼いならされていない、うまくふるまっているだけでむしろほかの登場人物を飼いならしているんだ、と主張する文献もあったりするが、ご飯もろくに与えられず、睡眠もとらせないような状況であれば、むしろ洗脳されたと考えるのがすっきりするし、どうも無理やりシェイクスピアの作品である本作を褒めたたえている感が拭えないと思った。

当時と倫理観が異なっていても、シェイクスピアの他の作品は非常に面白いのだが。。。まあ、つまらないという作品に当たってしまうのも読書である。運が悪かったのだと思って切り替えることにする。

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