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映画「トレインスポッティング」感想:ダウナー系で面白い作品

作品情報

トレインスポッティング(字幕版)

トレインスポッティング(字幕版)

  • 発売日: 2015/11/15
  • メディア: Prime Video

※なお、本作には次回作もあります。

評価

☆☆☆(最高評価は☆5つ)

※以下は作品のネタバレを含むので、注意してください。

ネタバレ感想

 本作は、取り立てて大きなストーリーやメッセージがないにも関わらず、なぜか見ていて面白いという映画でした。列車に乗って旅に出て、のんびり外を眺めているときのような感じがしましたね。様々な映像が目の前に流れてくる割に、それぞれに特に強い印象は受けない。けれど、全体として好感を抱く、という点が。

 ストーリーについて言えば、ヘロイン打って犯罪で金稼いで女抱いてヘロインやめてヘロイン打ってみたいな繰り返しで、特に凄いストーリー展開だなとは感じませんでした。ただ、この何もない感じが、ヘロイン中毒者の生き方としてリアルで、面白かったです。

 メッセージについて言えば、本作では、プロローグとエピローグで語られる「人生を選べ(Choose Life)」の部分が一番メッセージっぽい部分ですが、それほど心に響きませんでした。なんというか、ヘロイン中毒の奴がよくわからないことを言ってるな、共感できないなとしか思いませんでした。「俺は普通になんか興味ない。ダサい人生を送るならヘロイン打って死んでやる。」みたいな内容だったかと思いますが、自分と全く相容れませんねー。勝手にヘロイン打ってろよとしか思いませんでした。非常にリアリティのある考え方で興味深いとは思いますが。エピローグについても、主人公がお金を手に入れた後でテンション高いんだね、良かったねとしか思いませんでした。

 この映画を見ながら、しっかりとしたストーリーやメッセージを受け取れなかったという意味で、パルプ・フィクション を思い出させられました。パルプ・フィクションが暴力あり抗争ありのアッパー系のドラッグだとするならば、トレインスポッティングはダウナー系のドラッグのような感じがしますね。全体的に、鬱々として、暗い。でも、何とはなしに惹きつけられる魅力を有しています。

 本作は、俳優や女優の演技が良かったです。ヘロインをやっている主人公たちの演技を見て、実際にドラッグをやっている/やったことがあるような印象を受けさせる、強烈な演技でした。特に、マークが自室でヘロインの禁断症状に襲われているシーンは白眉でしたね。ベッドの中から撮影するという斬新な構図と共に、本作でも一番印象に残っているシーンです。

 あと、ちょこちょこ名言があったのも面白かったです。「ビタミンCが違法だったらやってた」とか、アホっぽくて最高ですね。