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Eiko + Eriko「Glitter」(アルバム)レビュー:若さ溢れるアップテンポな1stアルバム

作品情報

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 本作は、ピアノの連弾ユニットのEiko + Erikoの初のアルバムです。SpotifyAmazon Musicなどで配信されています。

 Eiko + Erikoは、2019年4月にデビューしたユニットです。ピアニストの鈴木瑛子さんと石倉江里子さんは、共に2018年にバークレー音楽大学を卒業しています。詳しい情報は、公式ホームページをご覧ください。

 なお、本作のドラマーは現在バークレー大学に留学中の山近 拓音さんです。

レビュー

 待ちに待ったEiko + Erikoの初のアルバムが出ましたね。若さと連弾の楽しさが伝わってくる、素敵なアルバムだと思いました。

 本作は、リード曲のGlitterを含め、全体的にアップテンポの曲が多く、複雑な構成と相まって若さを感じました。

 なお、Glitter(曲)の感想はこちら

spaceplace.hatenablog.jp

 Flame me with Crimsonはテンポ良く刻んでいくドラムと共に、ピアノが低音部から高音部まで縦横無尽に駆け巡って、キラキラした世界を作り上げていました。fox capture planのような疾走感がありましたね。

 Mr. Chaplinは、このところ上原ひろみさんのMr C.C.というチャップリンに捧げた曲を聞いていたのもあって、非常にタイムリーでした。上原ひろみさんのMr. C.C.は、軽快でありながらも時に悲しく時に繊細にと色々な表情を見せるチャップリンという感じでしたが、こちらのMr. Chaplinはずっと楽しそうにしていて、若い時のChaplinを表現しようとしているのかなと思ったりしました。

 good old daysでは、ピアノでベースっぽい音をが奏でられているようで面白かったです。若干の不協和音を奏でつつ低音と高音の組み合わせが、ずっしりとしていて良かったです。

 Night Owlは、山近 拓音さんのドラムがとても好きです。細かいドラムで連弾と合わせるのはかなり難しそうなイメージがありますが、流石の一言。情熱的なピアノと共に、場の気温を上げていくかのような迫力のある演奏でした。

 Exploresは、本作の中でGlitterの次に好きな曲です。煌めく蝶がどこまでも飛んでいくような曲の感じが、アルバムのアートワークとぴったりだなという感じがしました。明るく楽しげに舞う様な曲調は、今後のEiko + Erikoを暗示している気がしましたね。

 次のScramble Crossingも、陽気な感じでした。こちらは、村の賑わいのような快活さを感じました。渋谷のスクランブル交差点のような大規模のようなものではなく、こじんまりとしていてすれ違う人は誰しも知り合いというような曲の感じだなと思いました。

 初めて聞いた時、BELADONNAってなんなのだろうと思っていましたが、植物の名前らしいですね。こんな植物みたいです。

Atropa Bella-donna2


 ベラドンナは、毒にも薬にもなる植物と言うことらしいので、このように時に恐ろしく、時に綺麗な曲調になったのでしょうね。

 さて、本作全体を振り返ってみると、良いアルバムだとは思いましたが、気になった点が1つだけありました。それは、本作にピアノ連弾だけの曲がなかったことです。ドラマーの山近 拓音さんは相変わらず凄く上手で聞いていて楽しいのですが、Eiko + Erikoはあくまでピアノの連弾ユニットである以上、シンプルにピアノの連弾の良さだけを押し出す曲が1曲ぐらいはあっても良かったんじゃないかと思いました。今後に期待ですね。

Eiko + Erikoによる楽曲解説がありました。 ピアノ連弾ユニット・EIKO+ERIKO、1stアルバム『glitter』デジタルリリース。表題曲の3DアニメーションMVも公開 | UROROS