作品情報
- 発売日: 2016/08/24
- メディア: Prime Video
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評価
☆☆☆(最高評価は☆5つ)
※以下は作品のネタバレを含むので、注意してください。
ネタバレ感想
本作は、ダークでシニカルで、それなりに面白かったです。上映時間が長い分、ゆったりと映画に没入できた気がします。
ストーリーについて言えば、途中いきなりすぎるだろうというシーンがいくつかありましたが、全体的には面白かったです。最初から火花を散らす北軍を代表するウォーレンと南軍を代表するマニックスが、まさか友情を築いていくとは思いませんでした。その友情を築いていくきっかけが、殺人者という外的の存在だったというのが、いかにも人間らしくて皮肉が効いていますね。
そんな二人がドメルグに下す断罪、絞首刑。人が死ぬ姿を面白がっている様は、これが正義の執行などではなく、単なるショーにすぎないことを如実に表していましたね。二人の初めての共同作業が殺人というのもなんとも。外敵の存在によって一つになったアメリカであったが、正義の執行の名の下に喜んで殺戮を行うのであった…現状のアメリカに対する、アメリカン・スナイパーも真っ青のど直球の批判とも取れるなと本作を見ていて思いました。
他の登場人物も、基本的には悪人ばっかりで、これまた映画の暗さに拍車をかけていますよね。そして誰もいなくなった。登場人物がみんな死んでしまうのに、ある種の清々しさがあるのは、登場人物が悪役ばっかりだからでしょう。
本作を見ていて、なんとかならないのかなと思ったのが、床下にいたドミングレがいきなりウォーレンに対して銃をぶっ放すシーン。伏線もなくいきなり床下から攻撃されて、もはや何が起こったかよくわかりませんでした。
まあ、そういう突拍子のないシーンがあっても、映画の雰囲気や俳優の演技が素晴らしいからこそ、見ていて謎の満足感がありました。定期的に見たくなりますね、タランティーノ監督の作品。