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映画「ジョン・ウィック:チャプター2」感想

作品情報

評価

☆☆☆(最高評価は☆5つ)

※以下は作品のネタバレを含むので、注意してください。

ネタバレ感想

ジョン・ウィック1は、そこまで好きな作品ではなかった。まあ面白いのだが、めちゃくちゃ面白いわけではなく、自分の中の面白さの偏差値で言うと50ぐらいの作品だった。そのため、正直なところ、私はジョン・ウィック:チャプター2をあまり期待しないで見始めた。

しかしながら、本作は結構面白かった。車を奪われたからマフィアを襲って完膚なきまでに叩きのめす。うん、ジョンウィックならやりかねない。銃撃戦をしたとしても、ジョン・ウィックの頭には当たることなく、戦闘不能になることはない。うん、最強の殺し屋ジョン・ウィックならそうだろう。どんなにストーリー上のはちゃめちゃが起きたとしても、ジョン・ウィックならしょうがないと納得してしまっている自分がいた。余計なことを考えずに没入できている自分がいた。

おそらく、前回のジョン・ウィックを見て、ジョン・ウィック的なカオスさに慣れたのだろう。ハリーポッターの映画を見て「魔法が出てくるなんて非現実的だ」とケチをつける人がいないように、私はジョン・ウィックを見ながらジョン・ウィックがどんな最強な振る舞いをしても、最強の殺し屋ジョン・ウィックなら当然だろうと当たり前のように受け止めていた。犬が死んだらボコボコにするし、車を壊されたら大量殺人を行うだろう。ツッコミの脳がいなくなり、純粋に物語に没入できた。突然モーフィアスが出てきても驚かずに済んだ。

ニューヨーク中の殺し屋と対決する。なんと甘美な響きだろうか。謎の力士が出てきたり、美女が殺しにかかってきたり、バリエーションに富んだ悪役たち。美術館の中で大量に現れる重武装の兵士たち。そんな敵役達を、あっさりとジョン・ウィックは葬り去っていく。手の込んだストーリー?斬新なバトル?そんなものは知ったこっちゃない、娯楽の大波が私に押し寄せ、楽しい以外の感情を飲み込んでいった。良いんだよ、ジョン・ウィックは。手の込んだ和食なんていらない、ジャンクフード上等。人間、そんな時だってあるし、そういう時にまさにピッタリな映画だったのだ、本作は。

本作の終わり方も良かった。ニューヨーク中の殺し屋と戦って悪の親玉を倒したにも関わらず、まだ序章に過ぎなかったとは。あまりに続きが気になりすぎて、次回作を続けて見てしまった。そのためもあって、この記事を書いている現在、割とジョン・ウィック:チャプター2のイメージは薄れてしまっている。

しかし、そんな形でも良いのだろう。ジョン・ウィックはしみじみと思い返すような映画ではないのだと思う。でも、きっとそれで良いのだとも思う。ストーリーを忘れたら、また別のジョン・ウィックを見れば良い。ハンバーガーの味はしみじみと思い返さないけれど、いつでも美味しく食べられる。そんな飾らない良さが、ジョン・ウィックシリーズには詰まっているような気がした。

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